糖尿病・予備軍の人が「真っ先にやめるべきもの」|医師が伝える最初の一歩

こんにちは、水岡です。
今日は糖尿病の話をしようと思います。
もし「自分が糖尿病だ」と言われてしまったとき、あるいは「糖尿病の気があるからちょっと頑張らなきゃ」と思ったとき、治療の選択肢はいろいろありますよね。
まず食事療法。カロリーをこれくらいにして頑張ってください、というもの。次に運動療法。体を動かしてダイエットしてインスリンの効きを良くしよう、というもの。この食事療法と運動療法が基本です。
それがうまくいかないと薬物療法に進みます。最初は飲み薬を1つ。それでもダメなら2つ、3つと増やして、最後はインスリン注射、という流れになるのが一般的です。
ただ、実際に糖尿病になったり予備軍だと指摘された患者さんと話していると、私はいつもこう感じます。
いきなり正論を100%ぶちかましたところで、なかなか頭に入っていかない、ということです。
「食べすぎているのはわかっている」「甘いものを控えなきゃいけないのはわかっている」——本人はすでに自覚しているんです。それなのに「米を食べるな」「ジュースを飲むな」「ちゃんと運動しろ」と正論をたたみかけるように言われても、言われた方はガックリくるだけ。病院に来て怒られたくない人は、誰一人いません。
私も患者さんを怒ったりはしません。怒ることに意味がないからです。医師は教師というより、パートナーであり仲間でありアドバイザーだと思っています。特に外来では私より年上の方がたくさんいらっしゃいます。そんな方々に向かって「やれ」と上から言うのは、どうなのかなとも思います。
真っ先にやめてほしいもの
では、糖尿病になった・なりかけたときに、真っ先にこれだけはやめてほしいものは何か。
それは液体の甘いものです。
具体的には、
- ジュース(清涼飲料水)
- 果物ジュース
- 野菜ジュース(甘くしてあるものが多い)
- 砂糖を入れたコーヒーや紅茶
いわゆる「加糖飲料」全般です。
私はいつも「真っ先にやめろ」と言います。なぜか。
甘いものを「食べる」場合と「飲む」場合では、血糖値の上がり方がまったく違うからです。
お菓子やご飯を食べると、消化の過程を経てゆっくり血糖値が上がっていきます。一方、ジュースや砂糖入りの飲み物は、消化されることなくあっという間にブドウ糖として吸収されます。血糖値は一気に急上昇するのです。
糖尿病で最も問題視されている合併症——心筋梗塞や動脈硬化などの心血管疾患——に大きく影響するのは、血糖値の急激な変動です。緩やかに上がるのと、一気に跳ね上がるのとでは、血管へのダメージが大きく異なります。
甘いお菓子や炭水化物を控えるのももちろん大切ですが、まずは「急激に血糖を上げる液体」をやめる。ここから始めてください。
段階的に進めるのが現実的
いきなり「ジュースをやめる+間食をやめる+食事量を減らす+運動をたくさんする」ができれば素晴らしいです。でも、それができないから糖尿病になってしまう人が多いのも事実です。
だから私は、こう提案します。
- まず加糖飲料を完全にやめる(水かお茶、ブラックコーヒーに切り替える)
- それができたら、次に甘いお菓子(チョコ・ケーキなど)を控える
- さらにできたら、食事量やカロリーの調整、運動に取り組む
一つずつクリアしていく。これが現実的で続けやすい方法です。
糖尿病は、狭心症や心筋梗塞のリスクを大幅に高める病気です。心臓発作を起こしたくないなら、まずは「ジュースをやめる」ことから始めてみてください。
コーヒーはブラックで。これだけでも十分に意味があります。
それでは、また。



